貧   血
        

貧血とは

いまや女性の10人に1人といわれるほど身近な病気。

血液中の赤血球(単位容積あたりのヘモグロビン濃度)が基準値よりも減少した状態。

赤血球は酸素を全身の細胞に運ぶ役割を担っているので、赤血球の数が減ることで全身の

細胞が酸素欠乏に陥るため、全身にさまざまな症状を引き起こす。



血液検査と数値の見方

              成人男性:Hb 13g/dL未満

 〈 貧血の指標 〉    成人女性:Hb 12g/dL未満

             小児・妊婦:Hb 11g/dL未満

       

男性は貧血になりにくい

男性ホルモンが血液産生を促しているため(赤血球数の男女差を生んでいる理由の一つ)



原因

 

原因

主な貧血症

発症理由

@

骨髄での赤血球
生産量が低下

☆鉄欠乏性貧血
(最も多い!貧血の約7割)

赤芽球(*1)成熟障害

再生不良性貧血

造血幹細胞の障害

腎性貧血

ビタミン欠乏性貧血
(巨赤芽球性貧血)

赤芽球増殖障害

A

何らかの理由で
赤血球破壊

溶血性貧血
(自己免疫性疾患)

過剰崩壊、血管外喪失

B

体内のどこかで
継続的に出血
起きている

二次性貧血

           複数要因
・過多月経 ・子宮筋腫、
・胃潰瘍や十二指腸潰瘍(*2)、
・胃がんや大腸がん(*3)など消化器の病気

(*1)赤血球に育つまえの血液細胞のこと

(*2)食べ物とこすれて出血する場合がある。

(*3)便とこすれて出血する場合がある。




鉄欠乏性貧血について

  発生理由

                     原因

食生活での
   鉄不足

成人男性や閉経後の女性が1日に必要とする鉄の量は1mg 
消化管からの鉄吸収率が10%なので、食事からの鉄の摂取必要量:10mg

鉄の吸収不良

消化管の疾患による吸収不良
胃切除にて胃酸分泌低下⇒鉄が溶けにくくなるため吸収低下

慢性的な出血

婦人科疾患(月経異常、子宮筋腫など)
消化管の疾患(ポリープ、潰瘍、痔核、癌など)

鉄需要の増大

妊娠や分娩・授乳期の母親、成長期の子供





貧血の一般的な症状

貧血は体の酸素欠乏によって起こるものなので、その症状は体全体に及ぶ。

 体調に関すること        疲れやすい だるい めまいがする 動悸・息切れがする

 頭痛や肩こりに関すること  肩こりがある 頭が重い 顔色が悪い

 食事に関すること       食べ物が飲み込みづらい 口の端が切れる 酸味がしみる

 肌・爪・髪に関すること    爪がスプーン状になる 爪が割れやすい 枝毛・抜け毛が増える 
                     肌がカサカサする



治療方法                     

貧血症

治療薬

鉄欠乏性貧血

@原因除去

A鉄分補給  
 (内服)  ・毎日100200mgの鉄剤の服用
       ・服用開始後2週間ほどでヘモグロビンが増え始め、
        12ヶ月で正常化
         
・その後、貯蔵鉄を補うためにさらに3〜6ヶ月服用する必要あり。
  (
注射)  内服で間に合わない場合や内服ができない場合
          
内服にて消化器症状などの副作用が強い場合

再生不良性
    
貧血

軽症       タンパク同化ホルモン療法 (内服or注射)
             
   メテノロン(プリモボラン)、スタノゾロール(ウインストロール)

中等〜重症   ・免疫抑制療法
        :
ATG療法(抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン療法(リンフォグロブリン)
           抗ヒトTリンパ球ウサギ免疫グロブリン療法(ゼットブリン)
        :シクロスポリン療法
          ・メチルプレドニゾロン大量パルス療法 

最重症      免疫抑制療法+顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF) 
          骨髄移植

腎性貧血

エリスロポエチン製剤注射
(十分な効果発現には、鉄剤の併用が必要)

ビタミン
 
欠乏性貧血
(悪性貧血)

ビタミンB12の補充療法 (注射


  注意!!

貧血をあなどるべからず!!

貧血になった場合、どのタイプの貧血かを知り、種類に合った治療をうける必要がある。



 ◎鉄欠乏性貧血以外:鉄分をとっても解決しない。

(逆に取りすぎると肝臓に鉄が沈着し肝機能障害をおこすこともある。)

 ◎鉄欠乏性貧血:鉄剤服用に際して―
                                    

@お茶で服用しても問題ない。(水で服用した時と差がない)   

但し、お茶に含まれているタンニンが鉄と結合して鉄の吸収を

阻害する事は確かなので、避けられるなら避けたほうがよい

                                                         

A鉄剤で胃の調子が悪くなるなどの副作用がおこることがある。

(鉄が胃の粘膜を刺激するため)

【対策】鉄剤は鉄の吸収がよい空腹時に飲む事が原則だが、多少吸収率は

さがるが食後に服用すると鉄が他の食べ物によって覆われるため、

胃粘膜への刺激も軽減できる。

B鉄剤を飲むと、便の色が黒くなる。

    これは鉄が腸内で変化するために起こるもので、心配はいらない。

C下痢気味になったり便秘気味になったりすることもある。


ABCに関して:胃腸の状態が悪く鉄剤を服用できない時は注射をすることや、

服用量を減らしたり鉄剤の種類を替えたりすることもあるので

医師に相談してみる事をお勧めする。



食事療法

                                           

バランスのよい食生活

鉄分だけを偏って摂るのではなく、血液の材料となるタンパク質鉄分の吸収をよくする

ビタミンC
など、栄養のバランスがとれた食事を心掛けること

                                 

胃腸の健康管理:暴飲暴食を避けること                  

アルコールの飲み過ぎや過食、ストレス

⇒胃腸への負担⇒胃腸の働きが低下し、鉄などの栄養素の吸収↓

予防

     貧血を予防する栄養素:ビタミンC、ビタミンB12・葉酸、動物性たんぱく質

     鉄を添加した食品やサプリメントの利用