心臓病世界の死因の1。 

なぜヒトは心臓病になるのか?を進化の視点から迫っていく「NHKスペシャル病の起源」

 紹介します。
 



                                          

22000万年前、ほ乳類が誕生しました。

最初のほ乳類は体長20cmほどの弱い存在でした。しかし心臓の筋肉を強力にし、
その筋肉に血管を張り巡らせたことで運動能力が高く、長時間動き回れるようになりました。

ほ乳類は心臓が進化したため繁栄したのです。 700万年前、人類は重力に逆らって
2本の足で立ち上がります。
直立の姿勢にはメリットデメリットがあります。

  メリットは両手が自由になり、食料を集めやすくなり道具を使えるようにもなったこと。

デメリットは重力の影響で下半身に溜まりやすくなった血液を巡らせるため心臓に負担を
強いられるようになり、他のほ乳類より心臓に異常をきたしやすくなったこと。

 

ヒトは立ち上がったとき重力により下半身に溜まった血液を上半身へと押し上げるために
交感神経が働き血管が細くしまります。

その細くしまった状態の血管に血液を行き渡らせるために、心臓はさらに大きな力を
必要とするようになりました。

そのことがさらに心臓病のリスクを高めることになってしまったのです。 

心筋梗塞は、人類が発症しやすい病気であることがわかってきました。

ゴリラは血液中のコレステロール値が高く、ヒトの1.5倍もありますが、類人猿の死因で
心筋梗塞はほとんどありません。

これはGcN-グリコリルノイラミン酸)がヒトを心筋梗塞になりやすくしていると考えら
れています。Gcが血管内に入ると炎症が起きて血管の壁が傷み、そこからコレステロールが
入り込みやすくなり、大量に溜まっていき動脈硬化が起こるのです。

Gが炎症を引き起こすのはヒトだけで、ゴリラなどの他のほ乳類ではGcが体内に入っても
炎症は起きません。

それはゴリラなどヒト以外のほ乳類の細胞にはGcが大量に存在しているが、
ヒトの細胞には存在しない物質だからです。
そのためヒトでは異物と認識され免疫反応に
よって炎症が起きてしまうのです。
350万年前の人類には体内にGcが存在していましたが、
270万年前にGc失ったことがわかってきました。

 Gcを失ったことを境に脳が急速に巨大化していくのです。

脳は神経細胞から成長を促す物質がでることでネットワークを発達させていきます。

Gcがあるとこの物質が出にくくなり脳の発達が抑制されると考えられます。

  Gcを失ったことでヒトの脳が発達したのです。

  脳を発達させた人類は、農耕・牧畜による食料生産革命を起こしGcを含んだ肉を大量に
  食べるよう
になり、それが血管の炎症を起こすようになったのです。

  人類は進化の過程でGcを失い、心筋梗塞の種をかかえたのです。

今、心臓病などのリスクをさげるため妊婦への栄養指導に力が入れられています。

アメリカの大規模調査により、妊娠中期に陥ると子どもが成人後、心臓病になりやすい
ことが明らかになったからです。
心臓の細胞は胎児期にだけ分裂し、その後は増えません。
胎児期に細胞が死ぬと、本来より細胞の数が少ない心臓になってしまうのです。

妊娠中の母親の栄養状態が悪いと生まれた子どもはその後、健康的な食生活を送っても
心臓病になりやすいことがわかっています。

生まれる前から心臓病のリスクを負ってしまうのです。
胎児期に心臓の発達が妨げられるのは、脳の進化と深く関わっています。
栄養が充分に届いていると心臓と脳の成長に栄養を使うことができますが、栄養が少なくなると
脳に優先してしまい、心臓が成長できなくなるというのです。
胎児期の栄養不足が心臓病を招くのは、脳を巨大化させた進化の代償だったのです。

妊娠中の女性は、充分に栄養をとらなければならないのです。         

人類は立ち上がったときから下半身に溜まった血液を廻らせるため心臓に負担を強いられる
ようになりました。
立ち上がったヒトは足を鍛えるしかないのです。足を動かすと筋肉が静脈を
締めつけ、血液を上に押し上げます。

足は第二の心臓

足を鍛えると心臓を補ってくれます
(心臓に疾患のある方は医師の指導の下、おこなわなければなりません)

 
                                                 

Gcを含んだ肉類を大量に食べると血管が炎症を起こし、動脈硬化が進みます。肉類だけでなく、
糖・塩などの摂り過ぎは心臓病のリスクを高めます。
栄養の摂り過ぎだけでなく過度に摂らない
ことも心臓病のリスクを高めます。

   

妊娠中、太ってはいけないと栄養を抑えていると、子どもは生まれる前から心臓病の
リスクを負ってしまいます。

みなさん、日頃から足を鍛え、バランスのよい食生活を送り、心臓病になりにくい体を
つくっていきましょう。