食生活と栄養食事療法A

 以前も書きましたが・・・

 ≪人間が食事をする目的≫


@空腹感を癒すため
Aエネルギーや栄養素を確保し、健康を維持・増進しあるいは病気を改善させるため。
B食品や料理を楽しみ嗜好を満足させるため。
C食事を共有することにより、人間関係をよくするため。

 ≪栄養食事療法としての食事≫


人間は、上記のような目的で食事し、そのための食生活を営んでいる。
病気の人の場合は特にAの目的です。
高血圧・糖尿病などの生活習慣病では、病状をコントロールし、病気が悪化せず、他の
疾患がおこらないように生涯にわたり栄養食事療法が必要です。

 今回は高尿酸血症・痛風についてです。

 高尿酸血症とは、
   細胞中にある核酸の主成分であるプリン体の代謝異常のために、血中の尿酸が
   増加して起こる疾患です。

痛風とは、
   その尿酸が血液中に溶けきれずに針状の結晶になり、関節に沈着して炎症を
   起こし、激しい痛みを伴う疾患です。

 ≪原因≫

@尿酸の産生過剰
  何らかの原因で尿酸の合成が増え、尿酸値が高くなります。

A尿酸の排泄阻害
  尿酸の合成は正常ですが、排泄がうまくいかず尿酸値が高くなります。          

B尿酸の産生過剰と排泄阻害の混合
  尿酸の合成が増え、排泄がうまくいかず、尿酸値が高くなります。



ちなみに・・・
高尿酸血症の人の多くには肥満があることがわかってます。
肥満があるとインスリンの働きが悪くなり、
尿酸を産生する量と排出する量のバランスが崩れてしまうためと考えられています。
肥満を解消することは、高尿酸血症や痛風の予防・改善につながります。

 ≪痛風発作≫             
                   
  発作は夜間、突然起こることが多いです。
  足の親指の付け根(痛風発作の約7割)や甲などの関節部分が激しく痛みます。

  はじめは、1,2年の発作であっても、徐々に頻度が増大し、次第に手足、膝、肘など
大関節に炎症部分が拡大し尿路結石(尿酸結石)も現れやすくなります。
  
 尿酸は血液中に溶け、体内を循環します。7mg/dLを超えると血液中に溶けきれず、
針状の結晶になりやすくなります。
  血液中に結晶ができると、この異物を処理しようと周囲に白血球があつまってきます。
この時、白血球が痛みを感じる物質(酵素など)を放出するため、痛風の痛み
となります。



 ≪食事療法≫

まずは、食事療法を行いましょう。
@エネルギーを摂りすぎないようします。
Aタンパク質食品を過食しないようにします。
B脂肪を制限し、炭水化物はやや多めに摂ります。
C水分を十分に摂ります(尿量2000mL/日以上を維持します)。
D尿路管理から尿をアルカリ化する食品(※1下記参照)を摂ります。
Eプリン体(※2下記参照)を制限します。
F痛風の場合、アルコール類は禁止します。
G高尿酸血症の場合、アルコール類の連日飲用は避け、30g/日以下とします。
H高血圧、腎疾患合併の場合は減塩します。
I食物繊維は積極的にとります。
J食事は1日3食、規則正しくゆっくり楽しく食べます。

 ≪尿をアルカル化させる食品(目安)≫

野菜、海草類は尿をアルカリ化させます。                    
※1
 食品 アルカリ度 
 ヒジキ・ワカメ   高い 
 コンブ・干しシイタケ・ダイズ  
 ホウレンソウ  
 ゴボウ・サツマイモ・  
 ニンジン  
 バナナ・サトイモ  
 キャベツ・メロン  
 ダイコン・カブ・ナス  
 ジャガイモ・グレープフルーツ   低い

≪プリン体の多い食品と少ない食品(目安)≫

※2
   100gあたりの食塩(g)
 極めて多い
 (300g〜)
 鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、アンコウ肝、カツオブシ、
          ニボシ、干しシイタケ
   多い
(200〜300g)
 豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、
            サンマ干物
  少ない
(50〜100g)
 ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、
牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、ベーコン、ツミレ
        ホウレンソウ、カリフラワー
 極めて少ない
  (〜50g)
 コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼ちくわ、さつま揚げ、
カズノコ、スジコ、ウインナーソーセージ、とうふ、牛乳、チーズ、
バター、鶏卵、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマシモ、米飯、パン
うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、ニンジン、ダイコン、
        ハクサイ、ヒジキ、ワカメ、コンブ

 以上を参考にして高尿酸血症・痛風の食事療法を試してみましょう。