たい じょう ほう しん   帯    状    疱   疹




帯状疱疹とは


@児期に水痘(水ぼうそう)を発症させた水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が
潜伏感染し、その後、過労・ストレス、老化、外傷などが誘引となり、

VZV
が再活性化して引き起こされる。

A60歳以降の高齢者に多くみられる疾患だが
最近の特徴として「患者の若年齢化」、「複数回罹患患者も増加」。

B後遺症の帯状疱疹後神経痛(PHN)は耐え難い痛みであることが多く、QOLを著しく低下させる。



 


 

   ↑

皮疹に先行して、皮膚に痛みや違和感などの前駆症状が現れる。

皮疹は3週間前後で治癒するが、帯状疱疹後神経痛が残る場合もある。



帯状疱疹の症状・後遺症

1. 症状は、皮膚にチクチクするような痛みが起こる  ことから始まる。

2. 次に、痛みを感じた場所に
  ブツブツとした赤い発疹ができ、

3. 小さな水ぶくれとなって帯状に広がる。
   [疱疹(ヘルペス):皮膚に小水疱(すいほう)
           群れをなして生じる状態
] 
 

 部位:高頻度−胸から背中、腹部など その他−顔や手、足など
 特徴:体の左右どちらか片側だけ
      (一度に2ヵ所以上の場所に現れることはほとんどない)

4. 水ぶくれからかさぶたになっておさまる。

痛みが起こり始めてからかさぶたが治るまで、約3週間から1ヵ月かかり、多くの場合、強い痛みを伴う。

5. 皮膚症状が回復しても痛みだけが残り、いつまでも
  続く場合がある。

 これを「帯状疱疹後神経痛」という。

若い人の場合は、ウイルスによって破壊された神経の回復は良好だが
高齢者では回復が困難で、帯状疱疹後神経痛が残りやすいといわれる



 

 〈 一番の特徴:疼痛を伴うこと 〉

急性期帯状疱疹痛帯状疱疹後神経痛【PHN





急性期帯状疱疹痛

ウイルス感染による炎症性の疼痛

@発症時期から前駆痛(皮疹に先行して生じる痛み)

  無い場合、あっても軽度の場合

A急性痛(皮疹の出ている間の痛み)

  軽いもの〜耐え難い強い痛みまで様々

  10日前後でピークを迎え、皮疹の治癒とともに34週間で消失

帯状疱疹後神経痛(PHN)

神経因性疼痛(ウイルス感染による神経組織の損傷による

心因性疼痛(急性期の痛みがあまりに強かったり、持続したり
  したために痛みが記憶されることによる)

@慢性痛(皮疹が消失しても残る痛み)

   3か月で消失することが多い

  中には数年以上にわたって痛みが持続することもある




帯状疱疹の治療目標と治療薬

 1.急性期の疼痛を緩和し皮疹の再上皮化を促進
2.PHN(帯状疱疹後神経痛)の発症の予防

抗ヘルペスウイルス薬ウイルスの増殖を抑制し、病気の期間を短縮する。

    ・できるだけ早期(皮疹発現後35日以内)から抗ウイルス薬を使うことで症状の悪化を防ぎ、
      皮膚や神経のダメージを軽くする効果が期待できる。

     抗ウイルス薬として塩酸バラシクロビルアシクロビルファムシクロビルなどが使われる。

鎮痛剤

PHN予防のためにも痛みは我慢させずに、急性期から積極的に
鎮痛剤
非ステロイド鎮痛薬ステロイド薬を併用する。また、抗うつ薬(保険適応外)を投与することもある。

   ・これらの鎮痛薬を早期に投与することによりPHNを予防することが確認されている。

    ・また、痛みがある時しか鎮痛剤を服用しないのではなく、
    痛みがなくても鎮痛剤を飲み続けることが後遺症を防ぐためには大切である。


帯状疱疹後神経痛とは
   できるだけ早く治療して痛みが記憶として残らないようにすることがポイントである。
   決め手となる治療法は確立していないが、麻酔科にペインクリニックを併設している病院で、
   神経ブロックを受けると効果のある場合が多いといわれている。

   神経ブロックは、痛みの原因となる神経を麻酔で鎮静する治療法である。



日常生活の注意点とアドバイス


疱疹になるのは、疲れやストレスで体の抵抗力が低下している証拠。
無理をせずに、栄養と睡眠を十分にとり、規則正しい生活をすることが大切である。
また、痛みを冷やすとかえって強くなるので、できるだけ温めるようにしましょう。


 参考資料:・「帯状疱疹は痛みがある皮膚病です」
                        修/北村 聖
                        東京大学医学教育国際協力研究センター 教授
          ・日経DI 2008.11より