不眠症


 


 不眠症とは


不眠症とは、「寝つきが悪い」「眠っても何度も目が覚める」「熟睡できない」
「早朝のうちに目が覚める」といった症状が重なり、慢性化している状態をいいます



しかし、睡眠には個人差があるため、検査してみれば7時間以上眠っているにもかかわらず
「眠れない」と感じる人もいれば、3〜4時間睡眠でも平気な人もいます。ですから、
客観的に何時間眠っていようと、本人が安眠・快眠できないと自覚する状態が継続する場合を
不眠症と判断するケースが多いようです。


 不眠症の症状と種類

心配事や悩みがあって眠れない、または「枕がかわると眠れない」というように、
引越し先や旅先で眠れなくなったという経験は誰もがあると思います。
このような一時的な環境の変化や心理的ストレスで数日間眠れないものを一過性不眠といい
13週間不眠が持続 するものを短期不眠といいます。
これらは、一時的な発熱などの身体的要因、時差ぼけなどの生理的要因によっても起こり、
原因がわかればそれを解決することで不眠は改善されるので、専門的な治療の必要がない
ことも多いです。
しかし、1ヶ月以上の不眠は長期不眠といい、内科疾患(喘息、心不全など)や
精神疾患(うつ病、不安障害など)が背後に隠れている場合もあり、病院で診察を受け、
適切な治療を受けることが必要となります。





 不眠症の種類



 眠ろうとしてもなかなか眠れないという、いわゆる「寝つきが悪い」ケースです。
横になってから実際に寝付くまでの時間には個人差がありますすが、寝付くまでに30分
以上かかる日が何日も続くとなると、眠らなくてはという意識が強くなり一層眠れなくなって
しまうことが多いようです。



醒 
 寝付くことができても、眠りが浅いため、途中で何度も目が覚めてしまう状態です。
一度目が覚めると、再び寝付くことがなかなかできなくなります。



 十分な睡眠時間があったにもかかわらず、眠りが浅く、ぐっすり眠れたと感じられない
状態をいいます。



 朝早いうちから目が覚めてしまう、起きようと思っている時刻よりずっと早くに目が覚めて
しまいそのまま眠れなくなってしまう場合です。
お年寄りによく見られます。



不眠症の原因

環境
要因
 
 工事の音や車の音など、騒音が原因で眠れない場合や、暑すぎたり寒すぎたり
して眠れない、明るくて眠れない、家族の歯ぎしりやいびきがうるさくて眠れないなど、
眠るときの環境が要因となっているケースです。
 生理的
要因
 海外旅行時にしばしば陥る時差ぼけや、交代制勤務で深夜勤務などに変わった
ときに眠れないケース
 心理的な問題  悩みや心配事、ストレスが原因で眠れないケースです。
 器質的
疾患
 何らかの体の症状が原因で起こる不眠です。大きないびきが突然途絶える「睡眠時
無呼吸症候群」や、安静にしているとふくらはぎや足先がむずがゆくなったり、ほてっ
たりする「むずむず脚症候群」、睡眠中に足の筋肉が連続して痙攣する「周期性四肢
運動障害」などがあります。
 精神
疾患
 うつ病や不安障害など、精神科領域の病気は、不眠症を伴うこうとが多いようです。


 


 このように不眠症にはさまざまな原因がありますが、最近になって不眠症を訴える人が多く
なっている理由は、現代の社会にあるようです。

現代社会は、ストレス社会ともいわれるように、子供から大人まで、家庭や学校、職場と
あらゆる環境にストレスが存在しています。これらのストレスは私たちの心身に影響を与え、
このため不眠を訴える人が多くなっていると考えられます。

また、昼夜の自然なリズムを無視した24時間社会も原因の一つのようです。深夜労働や
交代勤務制で昼夜が逆転した生活をとらざるを得ないケースが増えており、こうした環境に
おいては一定の生活リズムを保つことが難しくなります。すると、睡眠と覚醒のリズムを
コントロールしている生体時計の機能にズレが生じ、不眠につながる場合がでてきます。

つまり不眠症は、現代社会特有の病の一つといえるのです。


 不眠症の治療法
不眠症の治療には、睡眠薬を使う治療(薬物治療)と睡眠薬を使わない治療の2つがあります。


 @睡眠薬を使わない治療

 治療法 内容 
 生活指導  睡眠環境を整える、食事や嗜好品についての習慣を改める、適度な運動をする、
肥満を治すなど、まず生活改善を行います。
 リラックス療法  より眠りを得るためには、心身のリラックスが欠かせません、そこで就寝前に
自立訓練法を行ったり、リラックスしたときの脳波ができるようにコントロールしたり
します。
 精神療法  精神疾患とまでいかなくても、いろいろなストレスや悩みが原因で不眠になって
いる場合、簡単な精神療法を取り入れると効果的です。
 高照度光療法  主に睡眠時間帯が社会生活にとって望ましい時間帯とずれてしまっている場合に
用いられる治療法です。2500〜3000ルクスの高照度光を照射することにより、
睡眠や体温といった生体リズmズを任意的にずらすことで効果を得る方法です。


A 睡眠薬を使う治療

不眠が続く場合、睡眠薬を服用することは効果的な治療といえますが、睡眠薬に関しては
「癖になる」「怖い」といったイメージを持たれている方も多いと思います。

現在、不眠症の治療で使われている睡眠薬の多くが、ベンゾジアゼピン系および非ベンゾジ
アゼピン系とよばれる種類です。これは、感情の変化やストレスによる脳神経の興奮を抑える
ことで眠り誘う(自然な眠りが起こる仕組みに近い)作用を持っている薬です。
薬の量を増やさなければ薬が効かなくなることを「耐性ができる」といいますが、医師の指示を
守って服用していれば、耐性ができることはまずなく、長い期間服用していても中毒症状が
起こることもほとんどありません。

なお、このベンゾジアゼピン系および非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は薬の効く時間が短い
ものから長いものまで4つのタイプに分けられ症状に合わせて最も適したタイプの睡眠薬が
処方されます。

超短
時間型 
 睡眠導入剤ともいわれます。作用がすぐに現れ、その分薬が効いている時間も短いので
翌朝にまで薬の作用が残りません。寝つきの悪い入眠障害に用いられます。

時間型
 薬の作用が現れるまでの時間が比較的短く、作用時間も短めで、入眠障害や熟眠障害に
用いられます。
中間型  作用が現れるまでにかかる時間は、超短時間型や短時間型よりはやや長く持続時間が
比較的長いのが特徴です。早朝覚醒などに用いられます。

時間型
 薬の分解に時間がかかるため、起きた後も薬の作用が続きます。うつ病などに伴い不眠が
現れる場合に用いられることがあります。
 
このほかに、体内時計のリズムを整える、メラトニン受容体アゴニストという種類の睡眠薬も
あります。また、全国の薬局・薬店で購入できる睡眠改善薬も登場しています。これは、
病院で処方される睡眠薬とは異なり、抗ヒスタミン剤である塩酸ジフェンヒドラミンを配合し、
催眠作用を発揮させるのが特徴です。
※治療に当たっては、必ず専門医(皮膚科など)にご相談ください。

 参考HP:e治験.com